2022年5月17日(火)
【タイガー立石の大規模個展香川・埼玉でポップ・アート絵画やナンセンス漫画原画など200点超】
企画展「大・タイガー立石展 変幻世界トラ紀行」が、香川の高松市美術館にて2021年11月3日(水・祝)まで開催される。その後、「大・タイガー立石展 世界を描きつくせ！」として、2021年11月16日(火)から2022年1月16日(日)まで、うらわ美術館・埼玉県立近代美術館にて2館同時開催される。多彩なジャンルで活躍したタイガー立石の大規模個展
《富士のDNA》1992年 courtesy of ANOMALY絵画やマンガ、絵本など、さまざまなジャンルで独創的な制作活動を展開したタイガー立石(本名・立石紘一)。1941年に福岡で生まれた立石は、大学進学のために上京し、1964年には画家の中村宏と「観光芸術研究所」を結成。時代や社会を象徴する人物やイメージなどの多彩な引用を散りばめたその作品は、“和製ポップ・アート”の先駆けとして注目された。《Consciousness about Humanbody》1975年 courtesy of ANOMALY1965年にはタイガー立石に改名し、漫画家としての活動をスタート。1969年からは13年にわたりイタリア・ミラノに暮らし、マンガに着想を得たコマ割り絵画を精力的に制作した。帰国後の1990年以降には、絵画や陶彫作品を「立石大河亞」、マンガや絵本を「タイガー立石」の名前で発表したのだった。数々の作品・資料から活動を振り返る《立石紘一のような》1964年 高松市美術館蔵「大・タイガー立石展」は、立石の多彩な活動を振り返る過去最大規模の個展だ。明治・大正・昭和という日本近代を総括する大画面三部作や、現代のグラフィティにも通じる《立石紘一のような》、全長約54mの絵巻物《水の巻》など、17歳の頃に描いた作品から遺作まで、200点を超える作品や資料を展示する。多彩なイメージの引用《昭和素敵大敵》1990年 田川市美術館蔵立石の作品には、多彩な出来事やイメージが地層のように積層している。たとえば《昭和素敵大敵》では、古賀春江《海》のポーズを取る美空ひばりをはじめ、高橋由一や岸田劉生、ダリといった古今東西の美術史上の、そして西郷隆盛や三島由紀夫ら歴史上の人物などが散りばめられている。このようにさまざまな引用から、絵画を「見る」とともに「考える」楽しみを堪能できるだろう。ナンセンスな漫画世界「コンニャロ商会」より原画 1967年 courtesy of ANOMALY1965年頃から本格的に漫画を描き始め、『少年サンデー』などで活躍した立石。交友のあった赤塚不二夫の漫画に登場した「ニャロメ」も、この頃の立石による造語であった。会場では、「コンニャロ商会」など、ナンセンスな世界観で人気を博した漫画の原画も多数展示する。〈埼玉展〉うらわ美術館＆埼玉県立近代美術館で2館同時開催「帯世界」原画 1982年 courtesy of ANOMALY尚、千葉市美術館を皮切りに開催された巡回展は埼玉展にてフィナーレを迎える。うらわ美術館・埼玉県立近代美術館の2館で同時開催され、500点超の作品、原画、資料が集結する過去最大規模の個展となる。尚、両館は徒歩で約20分ほどの距離のため、2館はしごして楽しむことも可能だ。「本をめぐるアート」をコレクションのテーマとするうらわ美術館では、“漫画と絵本”という視点に着目。「帯世界」「観光術」といった漫画の原画や、絵本『とらのゆめ』の原画が登場する。
《タイガー・ゲルニカ》 1970年 courtesy of ANOMALY一方、埼玉県立近代美術館では、タイガー立石の画業を全体的に回顧。これまであまり紹介されることのなかったイタリア・ミラノ時代の画業についても、資料を交えつつ詳しく振り返る。タイガー立石のSF的世界観や独特の画風は当時、イタリアの美術界だけでなく建築・デザイン界からも注目。エットレ・ソットサスやアレッサンドロ・メンディーニらとタッグを組み、卓越したイラストレーションを残している。【詳細】
企画展「大・タイガー立石展」
■香川展「大・タイガー立石展 変幻世界トラ紀行」
会期：2021年9月18日(土)～11月3日(水・祝)
※9月30日(木)までの間、および10月2日(土)と10月3日(日)は臨時休館。
場所：高松市美術館
住所：香川県高松市紺屋町10-4
開館時間：9:30～17:00(入室は閉館30分前まで)
※ただし金曜日ロジェ?ヴィヴィエ靴コピー・土曜日は19:00閉館。
観覧料：一般 1,000円(800円)※65歳以上も一般料金、大学生 500円(400円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金。
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳所持者(または障害者手帳アプリ「ミライロID」提示)は入場無料。
TEL：087-823-1711
■埼玉展「大・タイシャネルベルトコピーガー立石展 世界を描きつくせ！」
会期：2021年11月16日(火)～2022年1月16日(日)
場所：埼玉県立近代美術館(埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1)、うらわ美術館(埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1 浦和センチュリーシティ― 3階)
※状況により、会期や内容は変更となる場合あり。
〈埼玉県立近代美術館〉
開館時間：10:00～17:30(展示室への入場は17:00まで)
休館日：月曜日(2022年1月10日は開館)、12月27日(月)～2022年1月6日(木)
観覧料：一般 1,100円(880円)、大高生 880円(710円)
※( )内は20名以上の団体料金。
※中学生以下と障がい者手帳を提示した人(付き添い1名を含む)は無料。
※併せてMOMASコレクション(1階展示室)も観覧可能。
TEL：048-824-0111
〈うらわ美術館〉
開館時間：10:00～17:00(金・土曜日は20:00) ※展示室への入場は閉館30分前まで
休館日：月曜日(2022年1月10日は開館)、12月27日(月)～2022年1月4日(火)、11日(火)
観覧料：一般 620円(490円)、大高生 410円(320円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金。
※障がい者手帳持参者、および付き添い1名は半額。
※リピーター割引：観覧済み有料観覧券の提示により、団体料金で観覧可能(観覧日から1年以内、1名、1回限り有効)
TEL：048-827-3215
■会期終了
・千葉市美術館
会期：2021年4月10日(土)～7月4日(日)
住所：千葉県千葉市中央区中央3-10-8
・青森県立美術館
会期：2021年7月20日(火)～9月5日(日)
住所：青森県青森市安田字近野185
16:34
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